裂織りのジャケット

by 斉藤正光

エッフェル塔のほど近く、セーヌ川のほとりにあるケ・ブンランリー美術館で、今年の11月から来年の4月まで日本の竹籠の展覧会が開催されることになりました。

ケ・ブンランリー美術館は元フランス大統領のシラクさんが作った、欧州以外の地で生まれた文明と芸術との新しい関係をテーマに掲げた美術館で、今回私は展覧会に竹籠の作品を貸出しした為、オープニングパーティに出向いてきました。

日本で竹籠を集めているというと、かなりマニアックな扱いを受けるのですが、 欧米には沢山の竹籠のコレクターがいます。 欧米の竹籠のコレクターは日本人とは少々違う視点で竹籠を愛でていて、 日本美術・工芸として鑑賞するのはもちろん、

形の面白さからかコンテンポラリーアートに見立てたり、インテリアを飾るオブジェにしたりします。

また、竹籠の「編む、組む」という工法が布の「織る」という行為に通ずることからテキスタイルやファイバーアートとして捉えられることもあります。

 

フランス語はもちろん、英語も拙い、寡黙な?日本のおじさんが彼らと楽しくコミュニケーションするきっかけに、この裂織が役立ってくれればと思ったわけです。

織り上がった生地は知人のデザイナーにパターン製作を依頼し、裏地とボタンホール用に古いスカーフやネクタイを用意しました。そして裂織りの裏側をジャケットの表側に使って、少しラフな表情を出してもらうようリクエストをしました。

 かくして完成したのがこちらのジャケットです。

 服も、竹籠などの工芸品と同様で、材料や制作のプロセスを知ると理解と愛着が増します。

このジャケットはフランス語も英語もダメな私に代わり、饒舌にパリの人々に語りかけその役目を果たしてくれました。

 

Author: Steve Beimel

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