2019/07/08

尺八


Living Arts 音楽 友常理貴

現代社会において、多種多様な音楽に触れることが出来ます。いわゆるポピュラー音楽やヨーロッパのクラシック、民族音楽と本当にいろいろとあります。私もiPadを使って様々な音楽を聴いて楽しんでおります。

最近の音楽と言えばアップテンポなものが多いです。こう言った音楽も好きでよく聞きますが、ふとゆったりとした、昔の日本の音色も聞きたくなります。

日本の音楽を「邦楽」と言いますが、神社で流れる雅楽や、仏教音楽、浄瑠璃・歌舞伎の音楽、地唄、小唄、お祭りの時のお囃子など実はたくさんのジャンルがあり、特徴的な楽器が使われます。日本独特な曲調、間(ま)があり、それぞれ味わい深く、なにか日本人としての記憶を揺さぶられるような気が致します。

いろいろとご紹介したいですが、私の兄が、尺八の奏者をしておりますので、まず本日は尺八の紹介をさせて頂きたいと思います。

 

尺八とは竹で出来ておりその名の通り、基本の長さが一尺八寸なので尺八と言います。東大寺の正倉院には尺八が収められており、1000年以上古くからあったことがわかっております。

尺八に触れたことのない方々でもわかる、尺八の奏者と言えば、とんち話で有名な一休さんです。応仁の乱で荒廃した世の中を嘆き、「紫鈴法」という秘曲を作ったことは有名です。この曲は大変‘もの’悲しい曲です。栄えていたものが滅びる、盛者必衰に‘もの’悲しさを感じ、‘もの’悲しさに趣を感じるのは日本人ならではであります。私個人の意見としては‘もの’悲しさを表現できる楽器とし右に出るものはないように思います。

多種多様な音楽に触れることが出来る現代ですので、自分の知らないジャンルにも挑戦してみてはいかがでしょうか。

東京都豊島区にあります赤鳥庵にて毎月演奏会をしておりますので東京にお越しの際は是非お立ち寄り下さい。


友常理貴

昭和63年(1988年)生。
大和古流二十一世当主友常天眼斎貴仁の三男として生まれる。
家傳の剣術、弓術、聞香、茶の湯など父から学ぶ
日本文化の発信に取り組む。

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